"Oxygen regulation" of the respiratory chain composition in the yeast Debaryomyces hansenii under multiple stress
Mikrobiologiia. 2006 Jul-Aug;75(4):562-9.
[Article in Russian]
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低酸素と高浸透圧ショックという二つのストレス因子が同時に酵母
Debaryomyces hanseniiに加わると、それらは拮抗的な相互作用を示し、微好気条件下での好塩性(耐塩性だろう)が上昇した。呼吸阻害剤(アジ化ナトリウムとサリチルヒドロキサム酸(SHA))を使った実験や、ストレス下での呼吸鎖の構成変化のパターンから、細胞内で3つないし4つの電子伝達鎖が同時に働いていると推定された。すなわち、シトクロームcオキシダーゼを含む一般的な呼吸鎖、シアン化合物やアジ化合物耐性のオキシダーゼを含むもの、加えて塩、アジ化合物、SHA耐性のオキシダーゼを含む呼吸鎖である。低酸素と高浸透圧ショックの拮抗的相互作用は、塩感受性の呼吸系から塩耐性のそれへと電子のフローが切り替わる結果であり、後者は"低酸素(関連)遺伝子"にコードされていて、微好気条件下で活性化あるいは誘導される。
どう「拮抗」しているのか、アブストだけでは不明。作用点を取り合うという意味になると思うのだが?
シアン化物、アジ化物はシトクロームcオキシダーゼのヘムと配位することによってこれを阻害する。サリチルヒドロキサム酸も呼吸阻害剤。ヒドロキサム酸というのが一般に鉄などの遷移金属に配位する。その呼吸阻害については、たとえば
ここ
シトクローム系をシアン化物(やアジ化物)で、その他をサリチルヒドロキサム酸で阻害する、という位置づけらしい。