J Bacteriol. 2006 Oct 13; [Epub ahead of print]
Role of RelGsu in Stress Response and Fe(III) Reduction in Geobacter sulfurreducens.
Didonato LN, Sullivan SA, Methe BA, Nevin KP, England R, Lovley DR.
G. sulfurreducensのゲノム中には
relA/spoTホモログが存在した。これを
relGsuとする。これは、バクテリアおよび植物において飢餓状態に応答して生育速度を落とすシグナルとなる調節分子であるグアノシン3'5'ビスピロリン酸(ppGpp)の合成と分解を触媒すると予想される。RelGsuタンパク質の生理学的な機能を調べるため、変異株を作成してその性質を調べた。様々な条件下での野生株と変異株におけるppGppのレベルを比較したところ、野生株ではppGppとppGpが酢酸や窒素欠乏に反応して生成し、酸素への暴露ではppGppだけが蓄積した。変異株ではppGppもppGpも検出されなかった。変異株は酢酸:フマル酸培地において常に野生株よりも高い細胞密度にまで生育し、酸素ストレスに対して弱く、Fe(III)の還元能がかなり低かった。マイクロアレイと定量RT-PCR解析の結果、定常状態の生育中に、変異株ではタンパク質合成の遺伝子の発現量が上がり、ストレス応答やFe(III)還元に関わることが示唆されている電子輸送に関わる遺伝子の発現量が下がっていた。この結果はRelGsuが生育、ストレス応答、Fe (III)還元を調節しているということに矛盾しない。そしてこれは実際の地下環境において重要な役割を果たしているだろう。
つまりは予想通り
relGsu遺伝子は緊縮応答に関与する遺伝子だろうということ。
ppGppについては
ここに一般向け解説が。