いつまで引っ張るのかパン焼きプロジェクト。今週は培養に失敗。というか間に合わず。たまたま選んだ株の生育がやけに遅くて、どうにもなりませんでした。
時間がかかっているうちに「天然酵母」なるものへの理解も進み、焼いてしまうとはいえ、素性の分からないまま使うよりも、やはり微生物学者の”はしくれ”としては酵母を同定しておいた方がいいのでは?という気がしてきました。ますますパンを焼ける日が遠のきますが…。
ということで23s rDNAの一部を解析することに。プライマーは今日注文したのでよろしく
(> ジーンデザイン様)。学生の実験体験授業だったのじゃないのか…。
ぐずぐずしているうちに、ぶどう(ピオーネ)を潰して瓶に詰めておいたものがこんなことに。
中から細かい泡が上がってくる。
前に書いたように、最初に皮から酵母を単離しようとしたときはカビとバクテリアしか取れてこなかったのですが、居室の机の上に置いて毎日眺めているうちに、どうやら発酵し始めたようです。フタを取るとアルコールのいい香りがします。最初は表面にカビが生えて往生したのですが、ふと思いついてブンゼンバーナーを瓶の中につっこんで、液面と容器の壁を焼いたら生えなくなりました。(←家庭では危ないので真似をしないで下さい。まぁブンゼンバーナーのある家というのもちょっとないでしょうけど。ブランデーか何かを入れて火を付けたらいいかも知れません。)
しかしパンを焼くにはまだ時間がかかりそうだし、これをどうやって置いておくか苦慮中。blogを読んでいるバイオ環境学部の学生で、ここから酵母を単離してみる気のある人がいたら連絡ください。筋のいい人がいたら実験助手に採用します。掃除好きが条件です。(あ、それからうるさいのもNG。)
今週前半はデスクワーク。後半は本業の論文のデータ取りでしたが、なかなかうまくいきません。器械が全部新しいので、慣れるまで右往左往というのもありますが、ひょっとしたら初期不良の可能性ありというのが今日浮上。
このあいだのトラブルはケーブルの断線だったのですが。やれやれ。
あまりニュースがありませんが、昨年私の留学を援助していただいた財団から、報告書をまとめた冊子が送られてきました。
立派なもの。ここはまったく紹介も何も無くて応募したのを採用していただいたので、ほんとに感謝しています。
春に書いた。
でも一人だけ「ですます」調です。すいません。Webで公開されるようだったので、一般の人が読んでも分かるように(それほどうまくないですが)と思って書いたのですが…。
あとはK先生の奥様から、クッキーを頂きました。
どうもありがとうございました。全国ネットでお礼を言っておきます。
ちょっと変わったのがこちら。
”Lebkuchen”と呼ばれるドイツのクリスマスのクッキーで、シナモンやナッツが入ったもの。
裏に貼り付いている丸い白いものはこれ専用のオブラート(Oblate)なんだとか。
こんなところに紹介した文章があります(リンク先と思想信条上の関係はありませんので悪しからず)。
このオブラート、検索してあちこち見ていると「クッキーの生地が柔らかいのでオーブンの鉄板に貼り付かないように使う」という説明がありますが、ふと思ったのはこれはカトリックのミサで使う聖体拝領のパン(「ホスチア」という)ではないですか?
ここや
ここにはちょっとそのような記述がありました。なんの変哲もないクリスマスのお菓子ですが、ドイツ人にとっては説明されるまでもなく「キリストの身体」の象徴を頂き、その生誕と生涯に思いをはせるということなのかも知れません。クリスマスの伝統を持たない我々は今の季節、イベントとしてのそれにばかり気を取られがちですが。
ではまた来週。